経済評論家 山﨑元さん著 を解説していきます。
この本は癌になって著者が大切だと感じたことを教えてくれる本です。
今やがんは人がかかるありふれた病気の一つです。実際に国立がん研究センターによれば2023年に癌にかかった数は1,033,800人眼での死亡者数は38万5、797人なっています。つまり毎年100万人が癌と告知されているのです。
日本では2人に1人が癌にかかり、3人に1人が癌で死亡すると言われています。
著者もこれまでいっさい大きな病気にかかったことがなかったが喉に違和感を感じて検査をしてもらったところ2022年の夏にステージ3の食道癌が見つかっている。
がんはかかってから数年間は時間が残されているのが一般的です。
そしてその数年間ははっきりと自分押しや残り時間が見えるためいつもを感じ方が違ったり、本当はくだらなかったことや、やっぱり大切なこと本当に自分は時間を使いたいことが今まで以上にはっきりと見えてくるのです。
本書では経済評論家の著者から癌になって見えてきたことを教えてもらうという著書であります。
めんどくさくても毎年内視鏡検査を受けた方が良い
著者は飲酒の習慣があったにも関わらず長い間ずっと胃カメラや大腸カメラなどの内視鏡カメラをしていなかったのです。なぜなら著者は癌は積極的に健診で見つけるのではなく不調を感じてから対処すれあ良いと考えていたのと、儲けることを優先しているように見える検査や医療に対して不信感があったからなのです。
そのため2022年の6月に喉の不調を感じてから初めて近所の内科を受診しましたががんは見つからず耳鼻科を受診して喉を診てもらっても癌は見つかりませんでした。
念の為、喉の奥にある食道を見てもらうために小さな胃腸専門医で内視鏡検査をしてもらったところ初めて食道にがんのようなものが見つかったのです。
このように医者にただ診てもらうだけでは見つかることはなくしっかりと内視鏡カメラで検査してもらうことが大事です。
すでにこの時点で喉に違和感を感じた6月から2ヶ月が経っていました。大学病院で正式に癌だと分かったのは8月末だったのです。見つかった時には食道癌のステージ3まで進行してしまっていたのです。
もし内視鏡で検査していればステージ1や2の段階で発見できていたかもしれないし今のように生活の質の低下や抗がん剤治療など諸々のコストを支払うこともなかった可能性があるため、やはり毎年内視鏡検査を受けるべきだったと書かれています。
基本的には35歳から40歳あたりからがんになりやすくなってくるので著者と同じ轍を踏まないために内視鏡カメラの検査を1年に1回は必ず受けておくと良いでしょう。
がん保険は必要ない。貯金で間に合う
著者はお金をどこに投資すべきかを考えて多くの人に伝えることが仕事なので、保険についても癌になった著者はやはりがん保険は必要なかったと言っているのです。
がんになってもその治療費は貯金や国民保険で十分間に合うからです。
著者は実際、抗がん剤治療を2回手術1回、40日の入院をしたのですがこの時点で医療費として直接支払った金額は235万円だったそうです。このうち160万円は1日4万円のシャワー付きのグレードの高い病室を著者が選んだからになります。普通の病室であればもっと安く抑えられと考えられます。
残りの費用である手術や抗がん剤治療などには75万円かかっていますが、国民健康保険 高額医療費制度で61万円は払い戻されています。よって実質、癌の治療費は14万円程度ということになります。
そのほかにも定期的な検査や飲み薬などがあったがそれらは大した金額ではなかったそうです。
つまり癌になっても保険適用の範囲内の治療であれば思っているよりお金はかからないということになります。国民健康保険に入っているのならがん保険に入る必要はないし、がん保険料を支払っているくらいならそのお金を預金や積立投資に当てた方がと良いと書かれてあります。
情報を制限しないと身が持たない
世の中には癌に関する情報が良いものも悪いものも溢れかえっています。ですが、患者は何が正しくて何が間違っているのか確かめる時間や知識がないため大量の情報に触れてしまうと逆に混乱したり今受けている治療に迷いが生じやすくなってしまうのです。
がんに関しては書籍やネット口コミも含めて怪しいものがたくさんあります。さらにピンチの時は判断能力が鈍って藁にもすがる思いでついつい怪しいものに手を出してしまいがちです。
そのため著者はがんに関する情報は制限しないといけないと身がもたないと言っています。
そもそも他人へのアドバイス自体はあまり良くありません。脳科学者である中野信子さんは「誰かにアドバイスすることほど危険なことはない」というのです。
なぜならアドバイスする側はとても気分が良くなり、アドバイスされる側は不快になることがわかっているのです。相手から求められた場合はまだしも求められていない場合にアドバイスをすることはなおさら相手を不快にさせるのです。
そのためアドバイスをするということは人間関係を壊しかねないほど危険なものだとも言っています。友人からアドバイスをされるとなんだか上から目線で腹が立つような感じがすることもあるかもしれません。
がん患者は情報を制限しないと身が持たないし、アドバイスしたところで相手に不快感を与えてしまうということを覚えておきましょう。
持ち物を必要最低限にする
著者はアップル製品やガジェット類、高級腕時計、カメラ、鞄など集めるのにはまっていて気づいたら家の中がモノで溢れかえっていたといいます。
高級マンションや高級車など高いものにハマるのは危険だと分かっていたため制限していたが、その代わりにこういった買い物にハマってしまっていたのです。
ガンが進行してからは身辺整理も含めて持ち物を減らすことで、すっきりとして環境になり心の平穏も得やすくなったといいます。
仕事どううはアイフォンとマックブックだけで良いと思っており、カメラに関しても多くは他人に譲ってカバンも服も半分以上は捨てています。
がんになってこれまでの自分の行動を振り返ると勝った時の刺激が欲しくて買ったのだと思わざるを得ないと書かれています。つまり買うこと自体が目的となっていたようです。
できるだけ必要最低限のものだけを持って身軽に生きる方が気持ちもスッキリするのです。
仕事があるから元気が出る
著者は癌になって闘病生活が続いてからも連載の原稿を一本も落とさずに締め切りに間に合わせて書き続けていたそうです。ダイヤモンドオンライン、東洋経済オンライン、夕刊フジなどいくつもの雑誌で連載をしていたし、なんなら連載も数も増えていたそうです。
逆に体力がなくなったため公演などの仕事はできなくなったといいます。
著者は人の幸福感は99%が自分が承認されている感覚でできていると感じていることもあって残りの時間が少なくなっても最後の最後までいつも通り仕事を続けていたそうです。
基本的に人は年齢を重ねるごとに人との繋がりが少なくなっていき誰かに必要とされることも頼りにされることも減っていきます。そうなると他人から承認されるカンカンが減って幸せを感じにくくなってしまうのです。
そのため、人とのつながりを感じられる仕事を少しでも持っておくことが最後まで元気に過ごすために重要な要素なのかもしれませんね。
適切な時に惜しまずお金を使え
著者はビル・パーキンスの名著である 「DIE WITH ZERO」を引用した上で、若い頃の方がお金から引き出せる喜びの量が多いため、適切な時に経験や思い出にお金を惜しまずに使うことを薦めています。
実際に20代、30代に「パリに行きたいフジロックに行きたいロレックスが欲しい、燃えるような恋愛がしたい」と思っていても60代、70代になると同じことを思えなくなることが多いものです。
歳を取ると旅行やライブに行くのは体力的に厳しいでしょう。また若い時の方が失敗や経験から学んだことを活かせる機会も多いでしょう。
ですが実際にお金を溜め込んでいる人は多く日銀のデータによると自分が70代の貯金残高が最高額達する人は驚くほど多いのです。
「DIE WITH ZERO」では稼いだお金を全て使い切って、死ぬときには所持金が0になっていることが理想であると説いています。
25歳から全世界インデックスファンドに投資せよ
就職後2、3年はお金を蓄えるよりも自分のスキルを上げること、自分を希少な人材にすることにお金を使うことをお勧めします。この時点では借金はしないことです。
そして25歳からはNISAやiDecoを活用して全世界インデックスファンドへの投資をお奨めしています。最初は毎月5000円からでも良いでしょう。ポイントとしては、
- 株価が下がっても気にならない程度の金額を積立投資する。
- 自分がどう稼ぐか運用ではなく自分に集中すること。
をお薦めしています。ほったらかしで自分に集中することです。
ただし20代、30代の時期に経験できないへのお金はNISAを解約してでもお金を惜しまず使うべきだと言っています。
著者は全世界インデックスファンド(通称オルカン)への投資が最適解だと感じているし、それ以外の投資信託は99%がゴミだと一刀両断しています。
会いたい人にだけ会う
著者は23年7月の時点で癌がステージ4になり多くの場所に転移していました。そのためお酒を飲んだり美味しいものを食べたり語り合うことが好きだったのに禁酒して食べられるものも減り、リンパ節への転移で声が出しにくくなっていました。
そんな中で人間関係はどうあるべきなのかを考えたときにやはり自分から頼んで意見なり情報なり欲しいと思う相手とだけ会うべきだと感じたそうです。
ただし相手からも自分に会いたいと思わせる努力は必要だし、できる範囲でもてなしたり相手の時間を無駄にしないという気遣いが大切だといいます。
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