一流の頭脳 アンダース・ハンセン著

「実は体を動かすことほど脳に影響を及ぼすものはない」これが本書のテーマであり、とりわけ効果の高い体の動かし方とそのメカニズムをお伝えする。

こんなあなたにおすすめの本です。

運動脳 新版・一流の頭脳/アンデシュ・ハンセン/御舩由美子【1000円以上送料無料】

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感想(6件)

  1. 賢くなりたい
  2. やる気を出したい
  3. 効率よく物事をこなしたい

運動が健康に良いことは誰もが知っていることですが、運動が頭の良さや性格の良さにまで影響を与えていることまではあまり知られていないと思います。

本書には運動にはこんなメリットがあったんだとか運動をやらずにはいられないと思わせてくれる本です。

結論 

  1. 脳機能を上げたり、頭を良くするためには運動が最も有効である。
  2. 運動をするとかだら全体と脳の血流が増え、脳内で新しい細胞や血管が形成されたり、領域同士の結合が強化され、頭が良くなる。この一連の流れにより頭が良くなる。

運動で脳が変わる

先ほど述べた、運動をするとかだら全体と脳の血流が増え、脳内で新しい細胞や血管が形成されたり、領域同士の結合が強化され、頭が良くなる。この一連の流れにより頭が良くなる。これにより私たちはさまざまなメリットを得ることができます。

  1. 気分が爽快になる。
  2. 集中力がアップ
  3. 記憶力がアップ
  4. 創造性アップ
  5. ストレスに対する抵抗性アップ
  6. 思考の速度アップ

また思考の速度が高まると、記憶の中から必要な知識を効率よく引き出し、情報を素早く処理できるようになります。

著者は脳の機能を高めるには戦略的に運動する方が、パズルや脳トレより遥かに効率的であると言います。

また運動が及ぼすメリットは短期的なメリット長期的なメリットの2種類に分類することができます。

短期的なメリット

  1. 短期的なメリットは運動をした直後にドーパミンの分泌量が増えることです。別名やる気ホルモンと呼ばれています、やる気や活力待ちベーション、集中力、記憶力、快楽などに関わっている大事な脳内物質です。
  2. 運動を終えた後にドーパミンの分泌量が上がり数時間はその状態が続きます。負荷が大きいほど分泌量も増えます。ですので分泌量を上げるためにはウォーキングよりもランニングの方が効果的だと言われています。
  3. また運動することで血流が増えることも相俟って短期的に脳機能が高まるのです。

長期的なメリット

  1. 習慣的に運動を行うことで脳の前頭前野が発達することです。
  2. 血流が増えたりBDNF(脳内物質)が分泌され、脳の前頭前野が発達します。
  3. BDNFとは脳由来神経栄養因子と呼ばれ、これは脳の栄養となる物質でこれにより脳細胞が増えたり、脳細胞の機能維持や成長を促すのです。
  4. 脳の前頭前野は最高中枢であり、やる気集中力、記憶力、論理的思考、行動や感情のコントロールなどといったさまざまな機能を担っている大事な脳の部位になります。他人との良好な関係や長期的に有利な選択をすることができます。

これらのメリットを得るための目安としては週に2から3回ほどの運動を半年ほど続けることです。そうすれば自分でも実感できるほど脳機能が上がるだろうと著者は言うのです。

運動はアイデア出しにも有効

アップルの創業者スティーブ・ジョブズは歩きながら会議っを行うことを好んだということが知られています。会議室の中のテーブルを囲んで話し合うよりも、歩きながら意見を出し合う方が成果があると考えたのです。

このことは脳科学の観点からも理にかなっています。このことからFacebook創業者マークザッカーバーグやTwitter創業者ジャック・ドーシーなどといったシリコンバレーの多くのビジネスエリートたちはこのワォーキングミーティングを取り入れています。

やる気の最新科学

運動をすれば気持ちが前向きになりモチベーションが上がると言われています。これは運動をすることで脳内でセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内物質が分泌されるからなのです。

セロトニン

  1. 別名:幸せホルモン
  2. 鎮静作用があり、それが脳の活動を調整。
  3. 興奮した脳細胞を鎮めて脳全体の活動を抑制し、悩みや不安を和らげる効果
  4. 心を落ち着かせ冷静な判断や強い精神力を促す効果もあります。
  5. 欠如すると機嫌が悪くなったり不安になりやすくなる。

このようにセロトニンは精神の安定や心の落ちるき安らぎに関わるとても重要な脳内物質なのです。

セロトニンの分泌を促すための運動以外の3つの方法は日光を浴びること、単調リズム運動、咀嚼になります。

ノルアドレナリン

  1. やる気、集中力、注意深さを促す脳内物質
  2. 不足すると、疲労感が感じたり、気持ちが滅入ったりする
  3. 逆に多すぎると興奮したり落ち着きを失ったりする。
  4. 運動することで適度にノルアドレナリンが分泌され調節される。
  5. 別名:逃走闘争ホルモン(逃げるか闘うかのホルモンいずれの場合でも集中力を発揮する必要がある。)

ノルアドレナリンの分泌量が流される時は、例えば仕事の締め切りが近づいてきた時などです。適度なストレスがかかる場合に乗るアドレナリンが分泌されて脳機能や集中力を上げてくれるのです。ストレスの量と脳のパフォーマンスの関係性を示すものにヤーキーズ・ドットソンの法則があります。人はストレスが小さすぎても大きすぎても良くなく、適度なストレス時に最高のパフォーマンスを発揮するというものです。

ドーパミン

  1. 別名:やる気ホルモン
  2. やる気、活力、モチベーション、集中力、記録力、快楽に関わる重要な脳内物質

運動を終えた後にモチベーションが高まり、その効果は1時間から数時間継続すると言われています。また定期的に運動を行なっていれば分泌される量も徐々に増えていきます。

ドーパミンを分泌させるためには小さな達成感を得ることです。どんなに小さなことでも良いので達成感を得ることが重要です。例えば、朝起きてから、ベッドメイキングをきれいにできた、筋トレのメニューをこなすことができたなどです。

効果の高い運動のやり方

著者アンダース・ハンセンはこのように言います。たとえわずかな一歩でも脳のためになる。少しでも良いからとにかく動こう。たったの5分の運動でもそれなりに良い効果を得ることができます。 自分にあった無理のないペースで始めていくことが大切です。

ですが、より高い効果を求めるのであれば最低ラインの目安として一日30分のウォーキングになります。また、より高い最高のコンディションを望むのであれば週3回45分以上のランニングを行うことです。

ポイントとしては心拍数を上げることです。ですが、激しい運動をしすぎてしまうと脳への血流は逆に減ってしまいます。なぜなら血流が脳から筋肉へと流れを変えてしまうからです。このことからランニングが適切であると言えます。

脳への良い運動を求めるのであれば、有酸素運動がおすすめです。主な有酸素運動は早歩きのウォーキング、ランニング、サイクリング、スイミングなどになります。少量から中程度の負荷である程度の時間をかけて行う運動がおすすめです。

逆に無酸素運動でも脳への血流が増えたり、BDNH分泌が促されたりするのですが、効率の観点から考えるとやはり有酸素運動の方が勝るといえるでしょう。

しかしながら無酸素運動にもメリットはあるので無酸素運動と有酸素運動の両方を取り入れることが理想的と言えるでしょう。無酸素運動のメリットとしては筋力がつく、疲れにくくなる、テストステロンなどの有益な脳内物質の分泌が期待されます。

まとめ

  1. 運動をすると体全体と脳の血流が増えることで脳機能が上がる。
  2. ドーパミンが増えたり習慣的い行うことで脳の前頭前野が発達する。
  3. 何百ものモチベーション研究から、運動をすれば気持ちが前向きになりモチベーションが上がる。
  4. 脳内でセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった脳内物質が分泌される。
  5. 脳へのメリットが多いのは有酸素運動。30分間のウォーキングを最低ラインとしてランニングを週3回45分行うのが理想的。

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